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利用者の声と現状

2011年10月30日更新

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利用者の声

ユーザーの声を聞いてください。

4月に頒布したウェブアクセシビリティー啓発小冊子から(実際のシンポジウムを基に再構成しました) 。

出席メンバー:
ケンタさん(50代:全盲)
アイさん(40代:弱視)
ヒカルさん(20代:肢体不自由)
ハナさん(60代:高齢者)

司会:
ホームページを利用しているみなさんの感想をきかせてください。

ケンタ:
50代で失明して5年になります。視覚障害者なら、みんな点字が使えるという誤解があるようですが、私のように苦手な者には、音声読み上げソフトで、いろんな情報を活用できるネットはとてもありがたい。
本や雑誌、新聞などの活字情報もネットを通して入手できるようになりました。実は一番重宝しているのは、温泉探しや飲み屋選びです。
(注)国内の視覚障害者数は約31万人弱(2005年度障害者白書)。そのうち点字を使える方は10%程度といわれます。これは、中途視覚障害者の方が圧倒的に多いからでしょう

ヒカル:
手足が不自由で、移動には電動車イスを使っています。アマチュア無線の交信記録を書くためにパソコンを使い始めました。口にくわえたスティックでキーを押し、操作します。ページをめくれない本と違って、自由にホームページが読めるようになって、世界が大きく広がりました。

アイ:
弱視者ですが、ネット上で食品などの買い物ができるお店をやっています。普通のホームページは白をバックに黒い文字が多いですが、うちのは視力の弱い人にも読みやすく活用してもらえるよう、逆に黒のバックに白の文字にしています。競争相手の商品チェックでもよくネット検索しますが、中には背景と文字のコントラストがとても見にくいのがあります。背景に写真を入れるのはいいにしても、白い砂浜に白い文字を重ねたようなのは困ります。

ハナ:
孫とメールをやりとりしたくてパソコンを始めました。講習会で教わって分かったつもりでも、家でやってみるとダメ。「サルにも分かる」という本を読んでもダメだった時はショックでした。でも苦労して金融機関のホームページで入金操作ができた時はうれしくて飛び上がりました。足腰が弱くなっても、ネットで簡単にいろんな用足しができる時代が来てほしいですね。

司会:
ネットのホームページは、ハンデがある人にこそ大きな恩恵をもたらす面もあるようです。実際に使っていて困るのはどんなことですか?

ヒカル:
東京から沖縄まで旅行に出かけるのに、ネットで観光情報を集め、飛行機や宿の予約をする課題に挑戦しました。ようやく予約のページまでたどり着いたら、マウスでの操作が必要になり、それ以上に進めませんでした。細かな動きの必要なマウス操作は、障害者ばかりでなく、お年寄りや初心者でも苦手な人が多いはず。特にサービス関係のホームページは、キーボードだけでも入力できる環境にしてほしいですね。

ケンタ:
写真や表を、説明や解説なしでホームページに張られてしまうと、視覚障害者には、ジャンプしたことは認識できても、まったく何を表しているのか分からない。表は、読み上げソフトが左から右に順番に読み上げるのがルールです。これを無視し、上から下に読んでもらうつもりのページにしてあると、視覚障害者はこれまた意味がわからなくなってしまう。

ハナ:
高齢者はABCに弱いです。操作の指示も、「戻る」と書いてあれば分かるのに、「BACK」では分からない。やたらに英語やカタカナを使っているホームページは、みかけばかりで中身が分かりにくい。パソコン操作だけでも大変なのに、言葉のバリアにも悩まされるのはごめんこうむりたいですね。

ケンタ:
最近は技術の進歩で、画像が流れたり、光ったりするものが増えているでしょ。フラッシュという技術だそうですが、これだと読み上げソフトの音声が途切れてしまうこともあります。また「デジタル書類」なんて呼ばれてるPDFなども苦手です。トップページにこれらがあると、そこにアクセスできたかどうかも視覚障害者には判断できない場合が多いです。社会の高齢化も進んでいるわけだし、目で追いづらいデザインなどには注意してほしいですね。
(注)提供者はアクセシブルな配慮をした、フラッシュやPDFの作り方を学び、だれにでもやさしい作り方の工夫が必要でしょう。できればテキストでの代替手段も用意するとベストでしょう。

司会:
きめ細かい配慮は日本文化の特質でもありますが、ネットの世界ではやはりシンプルで使いやすいのが一番のようですね。ほかにも製作者へのご注文はありますか?

ケンタ:
音声読み上げに頼らざるをえない視覚障害者は、感覚で読み飛ばしができる晴眼者とちがって、ページの情報を理解するのにとても時間がかかります。ことに買い物のページなどでは、商品の絞込みがスムーズに行くよう工夫をお願いしたい。多量の広告や、リンクをたどるたびに毎回、ページの最初にある同じナビゲーション(メニューや目次)を聞かせられるページもつらいですね。
(注)各ページ上部へ「本文へ」「目次へ」などスキップできるような工夫をすると良いでしょう。

ハナ:
目が見えても大変です。いろいろ選んでくと、どんどんページが変わり、今どこにいるのか分からなくなってしまう。デパートでの買い物に例えれば、クリック一つで自分のいる階が変わるようなもの。案内表示が分かりやすく、親切でないと、どこをどうたどればお買い物が出来るのか迷ってしまう。複雑な構造ではだれだって困ると思います。 (注)位置・表示スタイル及び表記に一貫性のある基本操作部分の提供と共に、サイトマップなども設置すると良いでしょう。

ケンタ:
別のページに飛んだり、元のページに戻る操作をするリンクのはり方にも配慮をお願いしたい。「ご注文はこちらへ」としたリンクでは、読み上げソフトは「こちらへ」としか読まないから、視覚障害者にはなんのことか分からない。そもそもリンクがなくて戻るのに不便だったり、行き止まりになってしまうページもある。手紙の絵だけで、メールを誘導する仕掛けの、コメントのないリンク画像も不親切ですね。

アイ:
固有名詞で、例えば3文字の「神奈川」とそろえようと、「東 京」のように字間があけると、ソフトは「ひがし」「きょう」と読み上げてしまう。2006/4/1の表記も、「にせん ろく よん いち」と読んでしまいます。(HPR3.04の場合)

司会:
大量の情報の山の中から、目的のものにスムーズに到達できるように、目次や分かりやすい見出しをつけたり、シンプルで論理的な文章や構成にしたりすることが必要のようですね。あいまいさと省略の多い日本語に慣れた私たち日本人には苦手な分野かも知れませんが。

ヒカル:
地方の観光案内のホームページなどは、ある程度のスタイル統一はできないのでしょうか。地域ごとに作り方がばらばらでは、操作手順がまったく違い、とても時間がかかる。利用者は敏速にネットサーフィンができる若者だけはなく、様々な身体特性、ニーズを持った人がいます。自治体や業界団体などで、入り口だけでも、統一したデザイン、操作法のホームページを作る努力をしていただけないでしょうか。

司会:
デジタルなインターネットの世界にも想像以上にバリアが多いことがよく分かりました。技術進歩が新たなバリアをうむのではなく、ハンデを忘れさせてくれる文明の利器、だれにもやさしい社会への推進エンジンになるよう、ホームページを作るみなさんに、ぜひアクセシビリティの配慮をお願いしたいですね。

独立行政法人情報通信機構(NICT)の 「情報バリアフリーのための情報提供サイト」でのハーモニーシンポジウム関連記事

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国内の視覚障害者の現状

現在、日本では厚生労働者の障害認定ガイドの規定により、資格障害者の障害の等級を決定し、1級〜5級に分類され、当事者が社会福祉事務所に申請し障害手帳の交付を受けています。

(参考資料:等級基準  厚生省社会・援護局更正課)

全盲から弱視の人まで、何らかの原因で視覚機能が低下をきたし、そのために日常生活・経済生活・社会生活等に何らかの不自由が生じている方を、一般的には視覚障害者といいます。

障害者白書(平成17年調べ)によりますと、視覚障害者の人口は、身体障害者総数351.6万人のうち、30.6万人(9.2%)と報告されています。そのうち全盲は11万人、弱視者は残る19万人程度ととされています。中途視覚障害者が70%ということもあり、高齢化率も高く、65歳以上は65%にもなっています。ある程度の年齢に達してから障害を負った人たちにとっては、点字の習得は非常に困難なもので、現在点字利用者の人口は、わずか3万人程度(10%)というデータがあります。

このような現状から考え合わせ、点字に変わるものとしてインターネットを通しての情報の収集や発信は、今後益々、重要なものといえるでしょう。

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