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2008年7月18日
NPO法人ハーモニー・アイ
ハーモニー・アイ研究会調査報告
No.20080071801

本物のWebアクセシビリティー・セミナー

~本当にアクセシビリティ対応?
評価ツールだけではわからない!
Webアクセシビリティ~

はじめに

ウェブサイトのアクセシビリティ評価手段として便利な評価ツール。
しかしツールの結果が良いからといって、本当のそのウェブサイトはアクセシビリティに対応したサイトと言えるのか、このひとつの疑問から当会の研究がスタートしました。

検証対象について

「日本の5大政党を調べる」
党の政策を訴える手段として、有効的な手段でもあるウェブサイト。すべての有権者に広く確実に伝えることを目的としてつくられているはずです。

そこで今回は評価ツールとユーザーテストで得られた結果を行うことで、評価ツール故のアクセシビリティの盲点を探ります。

ユーザーテスト参加者

Aさん(名前)(男性:50代後半) 使用ソフト: ネットリーダー(高知システム開発)
パソコンレベルは中の中級程度。50歳になって失明。
Bさん(男性:40代前半) 使用ソフト ホームページリーダーVer3.04(IBM)
パソコンレベルは中の上級。弱視。視野の中心が見えないため、音声リーダーを利用。
Cさん(名前)(女性:60代前半) 使用ソフトホームページリーダーVer3.02(IBM)
パソコンレベルは中級程度。中途失明者。
Dさん(男性:40代後半) ホームページリーダーVer3.02(IBM)
パソコンレベルは上級。小学校までは弱視だったが徐々に失明。

ハーモニー・アイ研究会について

セミナーへの参加、ユーザーテストなどに携わるうちに、ウェブサイトにおけるアクセシビリティについて、知識を深めていこうという意識から自然発生的に誕生した有志の会です。

メンバー紹介

馬塲寿実(ばば ひさみ)http://www.harmony-i.org/
担当:ユーザーテスト実施とその検証レポート
NPO法人ハーモニー・アイ理事長。NPOの事業として視覚障害者や高齢者のユーザーテスト事業をいち早く実施。その実践をもとに「ユーザー目線でのWebサイト」について、数多くのセミナー実施,コーディネートを行うほか、企業・大学等へ「情報のユニバーサル」について教育も行う。
武者圭(むしゃ けい)
担当:テスター、アドバイザー
サウンドスケープデザイナー。ハーモニー・アイの視覚障害者スペシャルアドバイザー。まちなかの音環境への提案、公共施設の誘導サイン音のデザインなどを行う。また軽度呼吸不全や骨生育不全など複数の重複障害をもつ経験から、幅広い観点でユニバーサルデザインについての提案や助言を行っている。
岩澤亜紀子(いわさわ あきこ)http://roku-design.com/
担当:共産党検証レポート
アクセシブルなサイト制作を得意とするフリーランスのwebデザイナー。現在CMSのアクセシビリティについて研究中。千葉県の「だれでも使えるホームページコンテスト2007」最優秀賞。「Dreamweaver プロフェッショナル・スタイル」にてユーザーテストを取り入れたWeb制作について馬塲と共同執筆。ハーモニー・アイ正会員として活動に参加。
加藤圭志(かとう けいし)http://www.sgml-xml.jp/
担当:公明党検証レポート
株式会社デジタルコミュニケーションズにて、XML関連技術をベースとした業務システムや文書管理システム、様々な関連ソフトウェアツールなどの開発に従事。ハーモニー・アイ正会員として活動に参加。
小山智久(こやま ともひさ)http://www.kigoulab.co.jp/
担当:社民党検証レポート
有限会社キゴウラボ代表。ハーモニー・アイ正会員および事業部メンバー。ウェブサイトだけでなくソフトウェアのUIを手がける中で、デザイン性だけでなく、使いやすさを考慮した画面について研究を重ねる中、ハーモニー・アイの活動に参画。今年3月には同会主催のセミナー講師を務める。
村山ひでこ(むらやま ひでこ)
担当:検証レポート資料まとめ
出版社にて雑誌編集に携わった後、有限会社キゴウラボに入社。コンテンツプランニング・ディレクションを中心に行う。Web媒体での「伝わる文章」について検討する中でハーモニー・アイのセミナーをきっかけに活動に携わる。事業部メンバーとしてユーザーテストを行う。

調査方法

  1. 各政党のWebサイトをヒューリスティク検証
  2. アクセシビリティ評価ツールによる検証(使用ツール:富士通WebInspector)
  3. 5大政党のうち、3政党について、視覚障がい者4名によるユーザーテストを実施
  4. ツールおよびユーザーテストであげられた問題点について以下のように分類
    A:ユーザーテスト、JIS、ツールどれでも問題点が発見できる
    B:ユーザーテスト、JIS双方とで問題点が発見できる
    C:ユーザーテストでのみ問題が発見できる

参考:共産党の例

参考:共産党の例

ユーザーテストを行った3大政党の主な問題点

社民党

社民党webサイトキャプチャー画像
  • 見出しなどリンクでない文字も青、さらにリンクのところも青で下線が引かれていない(マウスを当てて初めて下線が表示される)ため直感的にリンクとわかりにくく混乱する。
  • TOPの政党ロゴのaltに「ヤシロミントウロゴ」と読み上げる。
  • 政党名であるのに、「シャミントウ」と読まれない。
  • 右サイドメニューの見出し「社民主義政策トピックス」が画像。altの指定がない。
  • 政策のページにはいったのに、トピックスでどれが政策なのか、わからない。
  • ページごとに、ページ構造が余りにも違うので混乱する。

公明党

公明党webサイトキャプチャー画像
  • Flashの中身をまったく読むことができない。
  • 「このページの本文へ」のスキップナビゲーションがあるページとないページがあり戸惑う。
  • 100kb以上のPDFがアップされており、ホームページリーダーでは容量が重く開かない。これは一般の人でも回線が遅い環境の場合は同じ減少が起こる。
  • 右下本文末尾の党関連情報への画像リンクに問題がある。altがなく、さらにリンクのtitleが「新しいウィンドウが開きます」となっているため、音声で聞くと、どのページが開くのかがわからない。

共産党

共産党webサイトキャプチャー画像
  • Flash Playerのダウンロードが、必要とするコンテンツのそばに配置されていないので、なんなのかわからない。また、この位置では使い勝手も悪い。
  • 画像で文字も書かれていて、ALTも書かれていないので内容がまったくわからない。
  • 志位(シイ)委員長の名前を「ココロザシイイ」と読んでしまう。委員長の氏名でもあるので、振り仮名の配慮は欲しい。
  • JCPがJCBに聞こえ、また略語でもあるのでまったく意味がわからない。これは視覚で確認しても同様である。
  • ページごとに、ページ構造があまりにも毎回違うので混乱する。
  • テキスト文章から読み上げた後に「戻る」ボタンが設置されてるので、左メニューの存在に気がつかない。